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読書の感想とメモです。
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夫婦茶碗
ただただ衝撃だった『告白』に対し、この小説はただただ圧倒。
 
バカさダメさいい加減さ情けなさの波状攻撃に圧倒されて、
ただ行く末を見守るしかありませんでした。
 
ダメっぷりもここまで突き抜けると、笑いを誘う。
えぇぇ−?と苦笑したあとに、ちょっとため息。
 
さんざん笑いながら読んでたのに、なんだろうこの苦みは。
誰も幸せになってない。
なんも解決してない。

でもなんか爽快。
  
うー。
 
不条理。
 
 
 
JUGEMテーマ:小説全般
posted by ちょこれいとぼんぼん | 22:57 | 【小説】人生 |
我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人
16歳で母親を殺害し、
22歳で強殺事件を起こして死刑になった山地悠紀夫。
 
彼の死刑が確定するまでを追ったノンフィクション。
なのだけど、、
結局、なにも分からなかった。
山地悠紀夫は何も語らないままこの世を去ってしまって
だからなぜ?どうして?というやり場のない悲しみと問いかけだけが、彼と関わった人の中に残った。
  
徹底的に心を開くことを拒否していた彼だけど、
数度だけ、チラリと心の奥底の叫びを覗かせることがあった。 
「僕をわかってほしい」「自分は生まれてくるべきではなかった」
そして携帯電話に残っていた江崎美幸の電話番号。
たったひとことだけの言葉、たった一行だけの描写。
それだけなのに、胸がしめつけられる思いがした。
 
山地の目には、この世の中はどんな風に映っていたんだろう。
どんな孤独を抱えていたんだろう。。
結局最後まで、山地は母親の影にとらわれていたのか?
16歳のあの夏から逃れることができなかったのか。
 
彼の人生とは、いったいなんだったんだろう。
 
本や映画で人の人生を知るとき、わたしはどうしてもそこに意味を見いだしたくなる。
人に物語を求めてしまう。
この行動の裏にはこんな気持ちがあったはずだ。
今までのこんな経験が、この言葉を言わせたはずだ。
 
それにならって、山地のことを考えていた。
16歳の時の恋が、彼に希望と絶望を教えた。とか、
愛情に恵まれなかった幼少期のトラウマが・・・とか、
やっぱり情緒障害が・・・とか。
 
でもなんかしっくりこない。
言葉で簡単に説明できる意味や物語なんて浅はかな後付けにすぎないって正面から否定されたような。
どんなに言葉を並べても、彼が本当に抱えていたものを推し量ることはできない。
誰も本当には理解できなかった。彼を。
そんな重い重い闇と、新聞の切れ端みたいに軽い命を抱えてこの世界を漂流して、そして死んでしまった。
 
こんな人生があった、という事実に、ただただショック。
posted by ちょこれいとぼんぼん | 15:13 | 【本】ノンフィクション |
本格小説 上・下
水村 美苗
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水村 美苗
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『日本版・嵐が丘』という設定に興味を持って一気読み。
本家の嵐が丘が「激しさ」ならば、この作品は「悲しみ」が強く印象に残りました。
  
悲惨な生い立ちから成り上がり、米国で巨万の富をつかんだ東太郎。
その太郎が生涯愛したただ一人の女性、よう子。
よう子を思って思って愛し続けて、殺したいと思うほどどうしようもなく大好きで、
よう子もそんな太郎を憎みながら愛し続けて、
ってなんか文章にするともぅめちゃくちゃだけど、
そんなめちゃくちゃなまでに惹かれ合った二人なのに、結果的に結ばれることはなかった。
アメリカに渡り、血のにじむような努力をして富も名声も手に入れた太郎なのに、
生涯大切に抱き続けたこの初恋だけは、最後までかなうことがなかった。
 
身分違いの恋も憎しみも生い立ちもなにもかも、全部ひっくるめて
ただ好きな人と一緒にいたかった。
ただそれだけなのに。
身分や時代の流れや宿命やらが太郎の前に立ちふさがるたびに、
行間から悲しみがほとばしってきて、胸がつぶれそうでした。
激動の歴史の中に、戦後の華やかさの陰に、ひっそりと取り残された幼い恋。
 
 
ずどん。とくる物語でした。
 
 
JUGEMテーマ:小説全般
 
posted by ちょこれいとぼんぼん | 23:53 | 【小説】恋愛 |